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信念の力が奇跡を起こすことがある

12月に入りましたが気温は暖かい東京でブログを書いています

株式会社 日向の鳥辺康則です(^◇^)

どんな人でも成功の影にはたくさんの失敗があると思います

しかしトーマス・エジソンは、失敗を失敗と思わずに「成功のための一歩」と考えた事は有名な話です

これは映画の世界でも言えることなのです

フランシス・F・コッポラ監督は「ゴッドファーザー」でアカデミー賞受賞しました

「地獄の黙示録」ではカンヌ映画祭パルムドールを受賞しましたが、莫大な制作費がかかり興行収入的にはマイナスになりました

その後の「ワン・フロム・ザ・ハート」は興行収入的に大失敗に終わりました

マーティン・スコセッシ監督は「タクシードライバー」でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞しました

その後「ニューヨーク・ニューヨーク」で興行収入的に大失敗に終わりました

マイケル・チノミ監督は「ディア・ハンター」でアカデミー賞を受賞しました

その後「天国の門」で興行収入的に大失敗に終わり映画会社を倒産に追い込んでしまいました

しかし、これらの監督はその作品を失敗とは思っていなかったのです

ウィリアム・フリードキン信念の映画「恐怖の報酬」


1971年に「フレンチ・コネクション」でアカデミー賞5部門を受賞、1973年に「エクソシスト」で全世界にブームを巻き起こした監督ウィリアム・フリードキンもまた同じような運命をたどったのです

1977年に公開された「恐怖の報酬」は、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の「恐怖の報酬」(1953年)のフランス映画のリメイクに挑んだサスペンス超大作として期待を集めました

ユニバーサルとパラマウントと言う2大メジャースタジオが、当時破格の2000万ドル(現在の100億円相当)以上の制作費をかけて作った超大作です

ストーリーは、祖国を追われる南米奥地に流てきた4人の犯罪者は、再び自分の生活を取り戻すため「報酬」1万ドルの危険な仕事を引き受けることになります

それは一触即発のニトログリセリンを積んだトラックを300キロ先の目的地まで届けると言うものでした

ニトロ運搬に命をかけた男たちの運命は・・・

面白しろそうでしょう〜

しかし、この超大作が公開されると・・・

まさかの惨敗!興行収入的には大失敗に終わったのです

理由は、同じ時期に公開された「スター・ウォーズ」が世界的ヒットになりすべての観客を奪われたのです

その後、北米での興行的失敗の結果を受け、世界配給を担当したCICは、121分の本編をフリードキン監督に無断で再編集し、92分の短縮版を新たに制作しました

更に、映画のタイトルも「SORCERER(魔術師)」から、勝手にオリジナルフランス版のリメイクを強調させるため「WAGES OF FEAR」と変更したのです

そもそもフリードキン監督はリメイクだと思っていないのです

クルーゾーの傑作とはキャラクターもエピソードも変えたかった、そしてリメイクではない、まったくのオリジナル脚本で勝負をしたかった。だからこの作品はリ・イマジネーションである

と言っているのです

どんだけウィリアム・フリードキン監督が激怒したかが想像できます

そして興行収入的には大失敗に終わりました

同年の洋画配収は38位と惨敗!(1位はもちろんスター・ウォーズです)

2大メジャースタジオが絡んでいたこともあり利権は複雑極まりないものになりました

誰もこの大失敗の責任を取りたくなかったのです

それでもフリードキン監督は諦めませんでした!

2011年に権利関係を取得するためにパラマウントとユニバースを相手に訴訟を起こしたのです

そこで分かった真実とは・・・

実はユニバーサルは公開から25年後に権利を執行していたのです

後はパラマウントとの交渉でした

信念を持ち続けこの作品に命をかけた監督はついに権利関係を全て取得することができたのです

それは、ある意味奇跡の出来事だったのです

信念の力で本当にミラクルが起きたのです

フリードキン監督は、今もって一コマも修正する気にはならないと気にいっている自らの集大成の作品なのです

2013年自ら指揮をとった121分のオリジナル完全版5.1ch、4kデジタル・リマスターがヴェネツィア映画祭でプレミアム公開され大絶賛だったのです

2014年ロサンゼルス、2015年パリ、2016年カンヌ映画祭、2017年ロンドンで上映され、各地で再評価の嵐を巻き起こしたのです

前後して作家のスティーブン・キングは、この作品を「人生で最も好きな作品」と公言しました

クエンティン・タランティーノ監督も自分が最も好きな12本の作品の1本に選ぶと公表しました

短縮版公開当時は、評論家や映画製作者の評価が低く誰も注目しませんでした

しかし、オリジナル完全版の作品評価は公開当時とほぼ180度変わり、現在も熱いファンの数を増やして続けています

その作品が2018年日本公開になったのです

絶対に劇場で見てください!

CGなどが無い時代にここまでリアルな恐怖を抱く作品を作ったフリードキン監督は天才だと思います

この作品には監督の信念が本当に宿っています(^◇^)

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