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映画「デトロイト」を観て思う差別や偏見

美と健康を通して地球環境浄化(^◇^)

地球の応援団長こと鳥辺康則です。

この映画は軽々しく観れる内容のものではありませんでした。

今でも人種差別が日常的に続くアメリカ。

その傾向は、白人至上主義のトランプ大統領になってからさらに助長されている傾向があります。

映画は、1967年実際に起きた「アルジェ・モーテル殺人事件」を再現した内容になっています。

黒人の若者ら8人が、一部の極右デトロイト市警官らによって「暴動」を引き起こした真犯人にでっちあげられかけた現実の歴史的事件なのです。

わずか50年前に実際に起こった事件だと思うと胸がいたくなります。デトロイト暴動


1967年7月23日、アメリカの中西部の大都市デトロイト。

デトロイト市警が低所得者移住区にある酒場に強引な手入れを行ったことをきっかけに、地元住民の黒人たちがその不当な捜査に反発し、大規模な略奪、放火、銃撃が各地で勃発。

警察だけでは対処できないこの非常事態にミシガン州は軍隊を投入し、デトロイトの街は戦場と化しました。

暴動発生から3日目の夜、若い黒人客たちで賑わうアルジェ・モーテルに、銃声を聞いたとの通報を受けた大勢の警官と州兵が殺到します。

宿泊客のひとりがオモチャの銃を鳴らした悪戯だったが、モーテル内に突入した白人警官クラウスによって黒人青年が射殺されてしまう。

しかし、それは悪夢の序章に過ぎない。

実際には存在しない「狙撃犯」を割り出そうとする警官たちは、偶然モーテルに居合わせた8人の若者への暴力的な拷問を開始します。

やがてそれは殺人をほのめかす異常な「死のゲーム」へと発展し、新たな惨劇を招き寄せていく内容の映画です。

実際5日間に及ぶ暴動で最終的に死者は43名、負傷者1100人以上、逮捕者は約7,000名を超えました。

単純に「暴動」とは呼べない歴史的背景を踏まえた根強く残る人種差別の問題が根底にあり、その後のアメリカ政治を大きく変化させる原因の1つにもなった事件であります。

根底に根強く続くこの問題は現代社会においてもいまだに起こってることなのです。

2015年から全米で続いている白人警官による黒人殺害事件。

2016年に全米で警官に殺された黒人は300人以上に及びます。

殺された黒人が銃やナイフを持っていた割合は3割。

それ以外は丸腰で射殺される理由はなかったのです。

にもかかわらず警官が有罪になった率はわずか1%に過ぎません。

映画でも描かれていますが、昔は警官が射殺した黒人にナイフを持たせたりして、正当防衛を偽装してたから問題になりませんでした。

しかし、最近はスマートフォンが普及して警官たちが無抵抗で何も持ってない黒人をいきなり射殺してる現場の動画が撮影され、それがネットで拡販されたので凶悪な実態がやっと明らかになったのです。

これは決して50年前の「デトロイト暴動」だけの話ではなく、近年全米で起きている事実なのです。

映画内で描かれているモーテルでの戦慄の一夜。

この衝撃の40分間の拷問は本当に心が苦しくなります。

同じ地球上に生きている人間なのになぜここまで憎しみ合わないとダメなのか?

人種的対立、差別、偏見などいまだに消えない深い闇の部分。

間違いなく気軽に見れる映画ではありませんでした。この映画は1人でも多くの人に見てほしいと思う内容のものです。

監督キャスリン・ビグロー


私は映画を選ぶ基準として1つに監督があります。

好きな監督の映画は全て見たくなるタイプなのです。

映画デトロイトの監督キャスリン・ビグローは、ジェームス・キャメロンの元嫁としても知られている監督です。

2009年にイラク戦争背景に米軍爆発物処理班の兵士たちの運命を描いた「ハート・ロッカー」で、女性として史上初のアカデミー賞「監督賞」を受賞した監督なのです。

初期の頃の作品「ブルースチール」は映像全体に青みをかけて幻想的な世界観の中で繰り広げられる1人の女性警官の緊迫する内容の映画でした。

その後の「ブルースチール」もキアヌ・リーヴスを一躍人気俳優にした伝説の映画です。

キャスリン・ビグロー監督の何が好きかといいますと、徹底的なリアリズムの追求なのです。

近年の作品は世界的な話題性のあるテーマに積極的に取り組み圧倒的なリアリズムと緊張感を映像化しています。

映画デトロイトでもその究極の緊張感が強烈に続くのです。

まるで自分がその場にいるような緊張感なんです。

またビグロー監督のキャスティングも素晴らしい。

モーテルでの戦略の一夜でデトロイト市警官を率いたクラウス。

演じたのは英国人俳優のウィル・ポールターです。僕も好きな俳優の1人でもあります。

この俳優さんは「童顔」なんです。(失礼)

なぜ彼を起用したのか?は、ビグロー監督の意図がこの歴史的事件に託してトランプ大統領を選んだ支持層(白人ブルーカラー)の「幼稚さ」を浮かび上がらせる二重性を帯びている事が考えられます。

圧倒的に印象に残る俳優なのです。

本当にこの映画は多くの方に見てほしいと思います。

一人ひとり感じる事は違うかもしれませんが、本当の恐怖とは人間の中に宿る心の闇かもしれないと思うのです。

映画を観た方がいたら感想聞かせてくださいね。

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