環境問題のことを考えると遺伝子組み換え作物や原子力発電所の建設は絶対必要なのだろうか?
1968年、スチュアート・ブランドによってサンフランシスコで創刊された「ホール・アース・カタログ」は環境問題に対して意識の高い方々のバイブルになっている
この雑誌は「地球上のものは全てつながっている」と言う思想のもと地球そのものすべてをカタログ化しようとして発刊されたものである
株式会社 日向の鳥辺康則です(^◇^)
考え方そのものは素晴らしいと思うのですが読んでみると内容は共感できるものではなかったのです
例えば今後食糧難が来るので先進国の食べ物は全て遺伝子組み換えやゲノム編集によって工場生産されるべきだ!
石炭や石油は二酸化炭素を発生させるので原子力発電所を大量に建設し温暖化防止にする!
最先端技術や現代科学を用いて都市化おすすめクリーンな社会を建築する!
内容のほとんどが人間の科学力によって全てがコントロールできると言うことです
実際、化学肥料と農薬、遺伝子組み換え作物により、面積あたりの農作物収量は飛躍的に上がり、地球上で飢えている人はきわめて少なくなったのは事実
都市化はエネルギー効率も経済効率も上げ、1968年当時に学校に行けない子供が大半で餓死も珍しくなかったアジア・アフリカ諸国で、多くの人々が教育の恩恵にありついている
1968年の中国と今の中国を比較するだけで、科学技術が人類に何を貢献したかは明確だと書かれていました
南米や東南アジアでも近代的な農業が普及し、焼き畑による熱帯雨林の消滅は食い止められ、むしろ回復基調とのことです
ある種の思想の中で環境問題を重要視するグループの中ではバイブル的に取り扱うられ現実的に遺伝子組み換え促進や代替フードが世界のトレンドになっています
でもそれって非常に不自然じゃないかと思ってしまいます
確かに飢餓の人は世界で減って、都市化によりエネルギー効率は格段に上がってますが、その反面いくつかの海洋資源は絶滅寸前で地球の絶対的な生体バランスを崩しているのも現状です
二酸化炭素を出す化石燃料よりも、出さない原発の方がいいと言う理論も共感できません
エネルギー危機が叫ばれるヨーロッパでも原子力発電所を積極的に建設する国と消極的な国とがあります
かといって他のグリーンエネルギーはエネルギー効率が悪く経済的でないのも事実です
そして実際は原子力発電も温室効果ガスを排出するんです
どんなエネルギーも温室効果ガスを全く排出しないということはほぼあり得ない
原子力発電ではウランの抽出と輸送、加工過程、発電所の建設過程、廃棄物の保管といったプロセスで温室効果ガスが出るとし、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2014年に発表した報告によると、1キロワット時発電するごとに3.7〜110グラムの二酸化炭素が排出されると伝えてます
しかし世界は膨大なエネルギーを確保するために原発の推進する流れが強まってます
原発の危険性についても「原発は安全だ」と主張してる方が多いです
その方々の言い分は以下の通りです
・放射線は自然界でも多量に存在し、人はそれを浴びているが重大な事態になっていない。後適度に浴びる事は健康に良い
・核兵器転用は世界各国が防止する枠組みを作れば大丈夫
・原発事故を起こさない原子炉は技術革新で可能である
・原発の燃料であるウランは、石炭や石油に比べて量が少なくて済むので採掘による地球への負荷が減り地球に優しい
原発のリスクよりも気候変動の方が悪である!と言う主張です
危険性については、テクノロジーの進化と人類の理性で回避できると言い張ります
世界は福島から何も学ばなかったのでしょうか?
原発を持つと言う事は核兵器にもつながります
長崎や広島、福島の被害を経験した我々日本人にとっては共感できることではありません
そして今エネルギーの約3割をロシアに依存するドイツを始めとしてヨーロッパ各国が原発建設に加速をつけているのです
フランスでも2050年までに最大14基の原発が新しく建設される予定です
欧州委員会は原子力発電を環境に優しい継続可能(グリーン)なエネルギーと認める方針を打ち出したのです
世界では今段階で57の原発が建設中です
中国は1年あたり10基の原発を建設予定です
日本では2011年の東日本大震災以前は54基あった原発が稼働していました
しかしあの悲惨な3·11以降は9基のみの稼働となっています
われわれはあの日の出来事から何を学んだのでしょうか?
そして世界はあの出来事から何の教訓を得たのでしょうか?
そんなことを強く感じたのでブログに書きました
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