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「ネオニコチノイド系農薬」をEUは実質全面排除する方向へ動いています

今年に入ってびっくりするニュースが流れてきました

それはEUで「ネオニコチノイド系農薬」を全面排除する動きに入ったと言うニュースです

株式会社 日向の鳥辺康則です

理由は自然の生態系を破壊し、人の健康にも重大な影響を及ぼしかねないと言う結論に至ったと言うことです

そして今回注目するべきポイントは、同農薬の残留した輸入食品も対象となる見通しで、日本からの輸出商品に影響が出ると言うことです

「新しいニコチン」を意味するネオニコチノイドは神経毒の一種で、昆虫類の脳を異常興奮状態にし死に至らしめます

日本では現在、10種類前後が農薬として登録されそれらを有効成分とする数多くの農薬製品が実際に田畑や果樹園などで使用されています

現在、世界的に広く使用されるようになったのがネオニコチノイド系殺虫剤です

有機リン系と比べ人体や哺乳類・鳥類・爬虫類への安全性が高い一方で、昆虫に対する毒性が強いことが長所とされてます

また水溶性であるため植物に吸収され、根から葉先まで浸透移行(植物体の中を移動)することや環境中での残留期間が長いことから散布回数を減らすことができることも長所とされてます

非常に人間に安全だと言うことで、世界で広がった農薬ですかなぜEUでは全面禁止になるのでしょうか?

そもそも、日本には農薬をとても安全なものだと主張する人がたくさんいます

グリホサートを含む除草剤のラウンドアップなども、実は発がん性等なく、安全だと主張する人もたくさんいます

では、それだけ安全だと主張するものが世界でなぜ禁止になるのでしょうか?

今回、最大のポイントは「最大残留基準値(MRL)」を大幅に引き下げることでEU加盟各国が合意したことです

最大残留基準値とは、スーパーなどで売られている農産物に、栽培時に使用した農薬が残留していたとしても、これくらいまでの濃度なら食べ続けても影響はないといういわば国が考える安全基準値です

その基準値がとても厳しくなったってことです

これは残留してるものが、人間に対して悪影響を及ぼすと言う結果だと言うことです

どれぐらい引き下げるのか?

「最新の技術で測定可能な最も低いレベル」と説明しています

つまり事実上、栽培時にそれらの農薬を使った農産物は全面的に輸入禁止となる可能性が高いと言うことです

この新たな基準値は2026年から適用される見通しです

もしそうなると、日本の様々な食品がEUに輸出できなくなります

農林水産省によると、比較的大きな影響を受けそうなのは緑茶・米・かんきつ類です

緑茶だけでもEUへの輸出実績は2021年で31億ありました

どれぐらい基準値の差が出るのか?

緑茶に対するチアメトキサム(農薬の名前)の最大残留基準値は、現在は日本もEUも1キログラムあたり20ミリグラム(20ppm)ですが、引き下げ後のEUの基準値は0.05ppmで日本の400倍も厳しくなります

クロチアニジン(農薬の名前)にいたっては、日本の50ppmに対しEUは0.05ppmです

その差は1000倍に広がります

なぜこれだけの基準値の差があるのでしょうか?

日本は本当に農薬に対して緩い国です

ただ、農水省によるとEUに輸出されている緑茶の8割は農薬不使用の「有機茶」のため、対応を迫られる可能性のあるのは残り2割ということになります

これは農薬基準値に厳しい国への輸出商品は、無農薬で作り、そうでない国産は大量の農薬を使っていると言うことになるのです

国民はこのことを知ってるのでしょうか?

なぜEUここまで厳しい処置をするのでしょうか?

理由の一つに生態系保護があります

近年、貴重な受粉媒介昆虫であるミツバチの数の減少が世界各地で報告されているが、ネオニコチノイド系農薬が原因の一つと疑われています

EUが段階的規制強化をする際に屋外での使用禁止から入るのもミツバチの保護が狙いです

そしてミツバチだけではありません

ネオニコチノイド系を含む農薬は、害虫だけでなく益虫やクモやカエルなどの小動物・鳥類など害虫の捕食者までも駆除してしまい逆に害虫による農作物の被害を増大させているのです

日本でも島根県宍道湖におけるウナギとワカサギの激減と殺虫剤ネオニコチノイドの関連をひもとく論文が、学術誌「Science」に発表されました

つまり、様々な生態系に影響及ぼし生き物を殺していっていると言うことです

さらに、人間に対しても様々な論文が発表されています

獨協医科大学などの研究チームが2009年前後に生まれた極低出生体重児の尿を分析したところ、生後48時間以内の検体の25%から「アセタミプリド」の代謝物を検出しました

しかも、極低出生体重児の中でもより体重の少ない新生児のグループのほうが検出率が有意に高かったのです

このことから研究チームは、ネオニコチノイドが母親の胎盤をすり抜けて胎児の発育に影響を与えている可能性を示唆しました

今何絶対的解明をされてないネオニコチノイド系農薬ですが、本当に安全だと言い切れるのでしょうか?

もし安全なのであれば、なぜEUはこのような処置を取るのでしょうか?

本当に日本の国民はこんなことが気にならないのでしょうか?

そんなことを思ってブログに書きました

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