過剰な消費者の審美眼によって日本の農業は大変になっていったのではないでしょうか?
ブログで時おり「農薬」のことを書くことがあります
それに対して使ってる農家さんが悪い!規制をしない政府が悪い!などのご意見をいただくこともあります
株式会社 日向の鳥辺康則です
しかし誰が悪いかと言う犯人探しで物事は良い方向には向かわないと思っています
なぜならばその原因を作り出しているのが我々消費者かもしれないからです
日本の農産物は他国に比べて過剰包装だったり、あまりにもキレイすぎるものが多いと言われています
曲がっている大根や少し虫が食っているキャベツなど誰も買いません
そうやって日本の消費者は審美眼を高く持ったが故にそれに応えようとして生産農家はきキレイ野菜を作ってるのです
そして過剰包装もそうなんです
高級フルーツパーラーやデパートで売られている高級果物だけではなく、格安のキャベツにまで徹底されてキレイさが求められます
逆に言うとそれだけ日本の農業レベルが高くてその消費者の期待に応えてしまっているのです
そして日本の農家は、どんなにその後生産物の価値を高めても消費者には伝わりにくい現場になったのです
そうやって日本の農業界は長く安売り路線を走った結果として今の方法に行き着いたのではないでしょうか?
商品を定期的に出荷し続けることに重きを置きすぎたせいで、商品ごとの品質の違いを明確に打ち出せずにきているのです
キャベツは「キャベツ」としか認識されず、キャベツごとの品質は考慮されないのが現実です
農業界では長らく、軽自動車とスーパーカーが同じ価格で売られてきたのが現実です
自分たちの生み出す生産物の「価値」を取り戻すにはどうしたら良いのか?
一つ言える事は従来型のコモディティー商品を大量生産・大量販売するビジネスモデルから脱却しなければいけないと思っています
安いのにやたらキレイで品質が良いことに消費者がなりすぎてます
それを選ぶ消費者が悪いのではありません
「価値」がきちっと伝わりそれを選ぶ消費者もいると言うことを知ってきちっと農業物マーケット作らなければならないのです
高級カーを好む人もいます
軽自動車を好む人もいます
そんなふうに違いの明確化とそれをわかるプラットフォームをしっかりと作らなければならないようにも感じます
そうしなければさらなる価格の安さと見た目だけの農産物が増えていく可能性があるからです
AIや遺伝子組み換え、ゲノム編集技術などによって人の手をほとんど介さずに野菜を育てる目的とした植物工場などがたくさん建設されていってます
コンピューターやハイテク機械を用いた大型施設で格安のキレイ野菜が作られます
しかしどんなに高級な生産設備のハードをお金で揃えられたとしても、ソフト(植物への愛情)などはお金で買えないのです
農家さんが丹精込めて愛情もって育てている農産物をもっと価値あるものにして高値で売っていく時代が来てほしいと思います
そんなことを思ってブログに書きました
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