なぜ日本の食料安全は世界外交の切り札になってしまったのか?
そもそもちょっと前の日本は「鎖国」が成り立っていたと言う事実があります
「鎖国」が成り立っていたと言う事は食糧自給できていたと言う証拠なんです
株式会社 日向の鳥辺康則です
その時代と比べて人口爆発が日本の中で起きたわけではありません(人口は少しは上がっていますが数十倍になったわけではありません)
なのに今では食料自給率が37%と低くなっています
この背景には戦争で米国に負けて以来続く食料安全保障が言いなり状態があるからだと私は思っています
米国の言うことに逆らえないと言うことです
もともと日本国内の食糧自給は100%だったのです
江戸時代の日本は生活に使う物資やエネルギーのほぼすべてを植物資源でまかなっていました
鎖国政策によって資源の輸出入がなかったため、日本ではさまざまな工夫により、再生可能な植物資源を活用する独自の循環型社会を築き上げていたと言われています
植物は太陽エネルギーとCO2・土・水があれば成長します
その意味で江戸時代の日本社会は太陽エネルギーに支えられていたとも言える
そんな日本がなぜ変わってしまったのか?
第二次世界大戦後に、アメリカの食糧戦略の奴隷になったからです
当時のアメリカでは、食糧供給が過剰になっており余剰作物を日本に送り込むことによって在庫処分のはけ口としたのです
その証拠に戦後早い段階で、大豆・飼料用トウモロコシについては実質的に関税撤廃がなされ、小麦もそれに続く形になりました
そうした品目では、輸入の急増により国内生産が加速度的に減少することになったんです
今では小麦86%・大豆94%・飼料用トウモロコシ100%の輸入依存度がこうした経緯によって貿易自由化が行われたことが理由なんです
そうやって米国の言いなりになった結果われわれは、食の安全保障を握られてしまったのです
現実的に1973年、アメリカのバッツ農務長官(当時)は、「日本を脅迫するのなら、食料輸出を止めればいい」と豪語したのです
信じられますか〜政治手段として我々の食の安全が売り渡されたのです
実際ウクライナ戦争では、ロシアは小麦の輸出を止めて脅しをかけました
またロシアとベラルーシは、肥料の原料となるカリウムの輸出も止めました
日本はカリウムをほぼ100パーセント輸入に依存しているが、その日本に対して非常に効果的な脅しとなっています
実際の食料だけではなく、農作業に使う飼料や農薬・生産動物に与える餌などまで全部輸入に頼っています
それらが止められてしまったら国内生産もまかならないのです
海外との外交の時、よく使われる手段が「サイドレター」言うものです
つまりあなたの条件を飲む代わりに、こちらの条件を強制的に言い渡す裏取引のことです
2019年に合意された日米貿易協定によって、たくさんのサイドレターが日本政府に突きつけられました
当時のトランプ大統領が都合の良いように、日本の食料安全保障をコントロールしたのです
完全に日本国民の胃袋は米国に掴まれてしまいました
本当にそれで良いのでしょうか?
食料危機が発生すれば、アメリカもヨーロッパも自国の食料確保が最優先となるのは当たり前です
そんな状況が来たら日本にまわす分を確保してくれるわけがないのです
2008年の世界食料危機の際も、世界各国は自国の消費を最優先にして軒並み輸出停止に踏み切りました
2022年の現在ウクライナ戦争を受けて、インドは小麦の輸出停止に踏み切っています
こうした動きが連鎖すると日本への食料輸出が滞ります
日本にとって食料危機は他人事ではまったくないと私は思っています
日本農業の復活こそが、とても緊急課題としてあると思ってるのです
何回かに分けて食料に対してのブログを書きました
最後まで読んでいただきありがとうございます
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