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EUで売れ残った服や靴などの衣料品を廃棄するのを禁じる法案が合意

今後、欧州連合(EU)では売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、廃棄物を削減するための新たな法律が大筋で合意しました

つまり「つくって捨てる」時代は終わりを迎えるということなんです

株式会社 日向の鳥辺康則です

大筋合意したのは『エコデザイン規制』改正案でアパレルメーカーは売れ残ったり返品となった衣料品をそのまま廃棄することが禁止されます

更に再利用やリサイクルすることなどが求められます

なぜこのような法律ができるのでしょうか?

意外と知られてないのですが、アパレル業界は「世界2位の環境汚染産業」なんです

衣服をつくって売るには、素材や原料の生産・紡績・染色・裁断・縫製・輸送・販売といった幾つもの工程が必要で、廃棄も含めて環境にダメージを与えることが多々発生しているためです

綿花をつくるには農薬・化学肥料・水が大量に必要です

更に合成繊維は石油からつくられます

紡績や染色には化学薬品が使われきちんと処理しないと水質や土壌の汚染につながります

原料や製品の輸送に際しては温暖化につながる二酸化炭素(CO₂)が排出されます

日本総合研究所によると国内で供給される衣類から出るCO₂は推計9500万㌧だと言われています

水は約83億立方㍍が消費されています

服を1着つくるのにCO₂排出量は25.5㌔(500㎖のペットボトル約255本)水は2368㍑(浴槽約11杯)が必要となる計算です

これだけ環境負荷をかけて作られる洋服が結果的には大量に捨てられる

2000年代からファストファッションが浸透し、流行の移り変わりに合わせ大量の廃棄が生じている

EUの試算では毎年廃棄される服は1人平均で12キログラムで全体では1260万トンに上ります

このうち再利用やリサイクルに回すのは22%にとどまります

コストがかかるからで大半は裁断・焼却されゴミとして処分されている

また先進国はこの洋服のゴミを後進国に輸出して、お金の力で処理しようとしています

欧州議会によると2000年から20年までに世界の衣料品生産量は2倍近くに増えたそうです

このままのペースで進むと30年までには20年比3割増の1億4500万トンに達し廃棄量はさらに拡大する恐れがあるのです

つまりファッション業界では売れ残った商品を焼却処分や埋立処分するのが通例なんです

しかしこれは「コストを抑えた格安の商品を大量につくり、売れ残れば廃棄する」サイクルを助長してきた結果なんです

それでは大量生産・大量廃棄のスタイルは変わることがないということです

過去にこのことに対して書いたブログがあるのでよかったら読んでみてください⬇︎

・大量生産されたファストファッションの洋服はどこへ行くのだろうか?

https://117kirei.com/20211129toribeblog/

・アパレル業界の過剰在庫と環境汚染の実態が明らかになってきています

https://117kirei.com/20220729toribeblog/

マッキンゼーの調査では、衣料品関連の温暖化ガス排出は約21億トン(18年)で世界全体の4%を占めます

このような背景を含めて、いち早く法的な規制をかけたのがフランスです

2022年1月より売れ残った衣料品の廃棄が禁止されています

売れ残ったものは寄付やリサイクルが義務づけられ、メーカー側にも消費者側にも大きな転換となりました

今回のEUの法律はこのフランスの動きに次ぐものなんです

今後EUだけでなく世界に同じようなルールが求められてくると思います

とても良いことだし必要なんです

この新しい規則では売れ残った衣料品の廃棄を禁止し、メーカー側に「必要以上に大量につくる」ことを抑制することになります

あわせて不要になったり着られなくなったりした衣料品を修理・リサイクルして永く活用することを奨励することになるんです

時流は完全に「浪費」から「節約」なんです

大量生産・大量消費の時代は終わるということです

「必要な分だけ」をつくり・買う社会へ

とっても大切な考え方だと思います

服をメンテナンスして長く使うと言う発想や古着などもとても大切だと思います

あまり洋服を買わない私ですらそんなに着ない洋服があります

洋服をたくさん持っていても着る人間は一人ということはほとんど着ていない

洋服は誰のタンスの中にはあると思うんです

そのあまり着ない洋服のためにどれだけ環境負荷がかかっているのか?

そう考えると考え方を変える時期が来てると思います

これも時流なんですよね

そんなことを強く思ってブログに書きました

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