問題の先送りは決して明るい未来を作り出すとは言えない
日本語の中に「臭いものには蓋をせよ」と言う言葉があります
意味としては、「悪事や失敗、醜聞など、都合の悪いことが、他に漏れて世間に知られないように、根本的な解決をはかることなく、一時的にその場しのぎの方法で隠そうとすること」とされています
株式会社 日向の鳥辺康則です
まさにこの言葉がぴったりと言う事実がメディアで報道されていました
それは、15道県の計46か所の山林に、半世紀前から猛毒のダイオキシン類を含む除草剤が埋められたままになっていると言う内容です
除草剤にはベトナム戦争で、がんや先天性障害などの被害を引き起こしたとされる「枯れ葉剤」と同じ成分2・4・5T系と呼ばれるダイオキシンが含まれています
なぜこんなものが全国各地に埋められているのでしょうか?
林野庁は1960年代後半から70年代にかけて、国有林の除草のためにこの除草剤を全国で大量に使用していました
その当時アメリカでは動物を用いた研究で胎児に奇形が見られたほか、発がん性等も指摘されていたのですぐに使用が中心になった除草剤です
しかし日本では平気でそれらが使い続けられました
その後アメリカからの報告を受け日本でも1971年4月に2・4・5T系除草剤は使用中止になったのです
昨日まで大量に使っていた除草剤が急遽アメリカの報告を受け中止になったので大量に在庫が余ってしまいました
そこで国が考えたことは・・・
臭い物には蓋をせよ!だったんです
全国各地の国有地に埋めたのです
ダイオキシンは何百年たっても分解される事はありません
当時の技術では安全に処分することができなかったのですが、今の近代技術では処理することが可能です
そのことを知りながら後回しにしてるのが現状です
また政府はダイオキシンは水に溶けにくく土にくっつきやすい性質なので、セメントで固めて地中に入れているので大丈夫だと言い張ります
しかし昨今の豪雨水害等でこの埋め立てられた山林の土砂が河川に流れてないと言う保証はありません
しかし政府は過去にも同じようなことを繰り返しています
農林水産省によると、戦後「有機塩素系農薬」と呼ばれたDDTなどの薬剤は、主に殺虫剤として使われていました
しかし、有害物質が体に蓄積しやすいとして、1971年に販売が禁止され、計約4400トンが山林や農薬会社の敷地に埋設されました
しかしその後地域住民やメディア等がこのことを指摘し問題となりました
今では処理技術が進歩したため、国などは2004年度から掘り起こしを始め、計約4100トンを無害化すると言う事態になったのです
今回も事態が悪化する前に処理する技術があるのだからすぐに実行に移してほしいと思っています
知らず知らずの間に食物連鎖や河川への流出によって地域住民や周りの農作物が被害を受けないとは限りません
熊本学園大の中地重晴教授(環境化学)は「ダイオキシン類を含む2・4・5―T系の危険性は、有機塩素系農薬に比べても桁違いに高いと発言しています
つまりほんの微量でも多大なる人体の影響や生態系の影響を及ぼすのです
実際に日本では1968年に「カネミ油症事件」が起きています
カネミ倉庫が製造する食用油にダイオキシンが混入したと言う事件です
油を食べた被害者は肌の色素異常、頭痛や手足のしびれなどの神経障害、肝機能障害など様々な病気に苦しんだ実例があります
全国各地に埋め立てられているこれらのダイオキシンは26トン以上になります
本当に国が言うように絶対に安心なのでしょうか?
掘り起こして処理する技術があるのになぜしないのでしょうか?
そもそもそういったことが多く隠されてきているのです
不都合な真実と言うことです
臭いものに蓋をしたとしても今の時代は必ず暴露されます
今回のニュースを聞いてそんなことを思ってブログに書きました
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