「越境汚染」と言われる環境汚染のことを知ってますか?
我々が住んでいる地球は海も大気もつながっています
自国が環境汚染に取り組んでいても、隣国が汚した物質が影響することがあるのです
株式会社 日向の鳥辺康則です
中国から流れてくるPM2.5や黄砂がその代表例です
そのように汚染物質が数千キロ離れた発生源から気流や海流に乗って運ばれてくる事があるのです
これを「越境汚染」といいます
そして越境汚染で深刻と言われてるのが大気汚染です
大気汚染が人の健康に与える影響は大きいのです
汚染によって平均寿命より早く亡くなる人(早期死亡者)は毎年2000万人を超えるとの報告もあります
大気汚染はぜんそく・肺炎・肺機能の低下といった下気道感染症の原因になるとされています
他にもがんや脳卒中・心臓発作の原因になったりします
イギリス・ロンドンのKing’s College Londonの研究チームはロンドンに暮らす3284人の10代の人々の「血圧の変化」と「大気汚染」の関連性を調査したところ恐ろしいことがわかったと言うことです
より高い濃度の二酸化炭素にさらされていると血圧は低くなる傾向があり、微小粒子状物質(PM2.5)にさらされていると血圧は高くなる傾向があることが分かったそうです
間違いなく身体に影響していると言うことです
他にも最新の研究によると、粒子状物質(PM)や二酸化窒素(NO2)・一酸化窒素(NO)など複数の大気汚染物質に長期間さらされた人はうつ病と不安症状のリスクが増していることがはっきりしています
PM2.5濃度と不安障害リスクの相関関係は女性より男性に強くみられます
つまり身体の健康だけじゃなくて、精神にも悪影響を及ぼしていると言うことです
特に微小粒子状物質(PM2.5)は、髪の毛の太さの20分の1と非常に小さい物質は厄介です
PM2.5は、微小なサイズから吸引によって肺の奥に入り込みやすいため呼吸器や循環器への健康被害が指摘されています
非常に細かな粒子であることから、窓枠やドアのわずかな隙間からも進入します
日本でも2009年にPM2.5の大気環境基準が新設されており、被害の実態についてはまだ研究段階ですが、徐々に健康に対しての影響が明らかになっています
最近では、中国都市部のPM2.5の濃度がかなり改善されたと言うニュースも流れています
しかし日本の環境水準と比較すればまだまだ高い濃度であることは事実です
そして中国でも地方に行くと高度成長が激しいので、いまだにPM2.5の濃度が高いです
また、発展途上国でも大気汚染の深刻さが増しています
これから国を挙げて成長していく過程の中で、どうしてもこの問題が大きくなります
バングラディッシュなどは大気汚染が進んでおり、微小粒子状物質(PM2.5)はWHOのガイドラインを平均で150%も上回ってます
これだけ大気が汚染されている状態は、毎日1.7本のたばこを吸うのに相当します
そしてこの物質は微小な粒子であることから風に流されやすく、容易に海を越えることが可能なんです
偏西風に乗って海や国境を越え、日本にも影響を与えることを越境汚染といいます
偏西風によって運ばれてきたPM2.5は日本でのPM2.5の濃度を上昇させ、大気汚染に影響を与えると考えられています
PM2.5による深刻な大気汚染、越境汚染による日本への影響は防げないと言うことです
そして、大気汚染はよその国から飛んでくるものだけではありません
国内でも、様々な物質が大気汚染の原因になってる事実があります
せっかくなので、環境省が定義している汚染物質と環境基準値を書いときます
二酸化硫黄(SO2)
二酸化硫黄は硫黄を含む燃料や原料の処理によって発生する大気汚染物質です。
環境基準としては「1時間値の1日平均値が0.04ppm(パーツ・パー・ミリオン※)以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること」とされています。
※ppm(パーツ・パー・ミリオン):100万分のいくらで割合であるかを意味する。1ppm = 0.0001%
一酸化炭素(CO)
一酸化炭素は無味無臭の気体で毒性が強い環境汚染物質とされています。
空気中における濃度が0.02%上昇すると頭痛を引き起こし、濃度が上がるとめまい、吐き気の原因となるのです。
実際には大気汚染防止法によって、「ばい煙発生施設での排出規制」や「指定地域での総量規制の対策」が昔から取り入れられていたことから、現在の汚染状況は大きく改善されています。
「1時間値の1日平均値が10ppm以下であり、かつ、1時間値の8時間平均値が20ppm以下」と示されています
浮遊粒子状物質(SPM)
ばいじん、粉じん、ミスト、エアロゾルが含まれ、燃焼に伴うもの以外は粒径が10マイクロメートル以上のものが大部分とされている。肺や気管等に沈着するなど、呼吸器への影響なども引き起こします。
「1時間値の1日平均値が0.10mg/m3以下であり、かつ、1時間値が0.20mh/m3以下であること」とされています
二酸化窒素(NO2)
二酸化窒素は高温燃焼に伴って必然的に発生することから、自動車や工場での燃焼以外にも、ビルや家庭からの排出、自然界からの排出なども無視できません。燃焼することで発生する一酸化窒素が大気のオゾンによって酸化されることで二酸化窒素となります。
他の有害物質と比較しても排出量が多く、排出源も多様であることが特徴です。
また、自動車、船舶、航空機などの移動発生源が、排出に大きく寄与していることが他の有害物質と異なる点と言えるでしょう
環境基準は「1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること」とされています
光化学オキシダント(Ox)
オゾン、パーオキシアセチルナイトレート(PAN)、アルデヒド等の光化学反応により生成される酸化性物質であり、90%以上がオゾンです。健康への影響として「粘膜への刺激」「呼吸器への影響」を引き起こすとされています。
「1時間値が0.06ppm以下であること」が環境基準となっています
まとめると、環境省が定義している環境汚染物質には様々な発生原因と人体への影響がある
二酸化窒素は他の有害物質に比べ排出量が多く、排出源も多様である
(出典:環境省「大気汚染に係る環境基準」)
あんまり日頃大気汚染の事なんて考えないかもしれませんが実に深刻なんです
それによって様々な病気が誘発されたり、精神的な障害も起きてます
われわれは地球に住む人間として、ワンチームで環境問題に取り組まなければならないと思っています
どんなに自分が頑張っても隣国が汚したものが日本に影響するのであれば自国だけの問題ではなくなるのです
そんなことを今回強く持ってブログに書きました
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