それぞれの国の脱炭素への取り組みが気になります
先日びっくりするニュースが飛び込んできました
それはフランス政府が、鉄道で2時間半以内に行ける場所への国内線フライトの運行を全面的に廃止する法案を国会で可決したと言うものです
株式会社 日向の鳥辺康則です(^◇^)
これが政治力だと本当に思いました
日本では絶対にありえないことです
理由は飛行機による二酸化炭素排出を抑える必要があるためです
気候変動対策として、フランスは2030年までに炭素排出量を1990年比で40%カットすると言う目標をかけています
その目標の実現化に向けて今回の法律改正があったみたいです
欧州環境機関(EEA)のデータによると、列車の場合、乗客1人が1マイルを移動した際のCO2排出量は14gだそうです
それに対して、同じ条件で乗客が航空機で移動した際のCO2排出量は285g、内燃機関を使用した自動車なら158gが排出されます
旅程にもよるが、列車で移動すれば、CO2排出量が最大で90%も削減されることがわかっています
つまり近場の移動は電車を使えと言うことです
真剣に日本も見習って欲しいと思っています
アメリカはバイデン大統領が選挙の中で掲げた「2050年CO2排出ゼロ」の公約を実施するために様々な法律改正を行っています
日本でもそれにつられて菅首相も同じ目標を表明しています
気候変動に関するパリ協定で約束したCO2削減目標をどこまで上積みできるかがそれぞれの国の課題になっています
日本は2030年までに2013年比26%削減を約束しています
実際に可能なのでしょうか?
今現在、日本の電力の火力比率は75%になっています
これがどれぐらい他の国と比べて多いのか?
フランスは火力比率5%、スウェーデンは火力比率1%です
日本はほとんど火力発電に頼っていると言わざるをえません
当然それを削減するには原発稼働が絶対条件になると言う人もいます
しかし原子力発電を再稼働させるには国民の理解が得られないため難しいと言われています
日本での再エネ比率は21%です
これをあと9年で何倍にもしなきゃいけないと言うことです
そこで急浮上しているのが水素やアンモニアなどの水素エネルギー変換です
今総合商社は偶然の「水素ブーム」になっていると聞きます
しかしそこにはカラクリがあるのです
水素エネルギー変換は、LNG(液化天然ガス)で発電した電力で水を電気分解して水素を作りそれを燃やして発電すると言うシステムです
しかし火力発電で水を電気分解して水素を作り、それを燃やして発電するのはかなり無駄な作業なのです
実際LNGで発電した方がエネルギー効率は2倍以上高いのですがCO2を発生するので環境負荷は変わらないことが問題視されています
さらにびっくりする事は日本は、産油国のLNG発電で水素からアンモニアを作り、それをタンカーで日本に輸入するのです
直接LNG日本に輸入すれば良いのですが、それだと自国でCO2が発生するために周りからにらまれるためあえて他国で作らさして輸入すると言う考えなのです
つまりこれは日本の代わりに産油国でCO2を発生させるだけで、地球全体のCO2削減には全く意味のないことだったのです
自分の国が削減目標達成していれば良いと言う非常に利己的な考えです
ものすごく無駄なお金がかかり、ロスがたくさん生じます
日本の政治家が考えるのはこの程度のレベルです
東京電力と中部電力は2050年までに火力発電所を全てこのアンモニア発電に帰ると言う方針を発表しています
他国でCO2を発生させて自分の国ではないと言うことを主張するのです
さらに電気料金は今の2倍以上になると言われています
それを聞いたトヨタ自動車の社長はびっくりする次のようなことを言ったのです
CO2の負担が少ない国に自動車を作る工場を移すグローバル化を起こすと言うことです
日本が法的に厳しくなったら、CO2削減目標のない国に工場を移して生産すると言うことなのです
つまりCO2を地球上で排出する事は変わりないのでは?と思ってしまいます
もちろんトヨタ自動車さんはCO2削減のために必死に努力をされている素晴らしい企業です
カーボン・ヘイブンと言う言葉があるみたいに、CO2削減目標が達成している国や義務化されていない国にどんどん世界の製造業が移っていくということです
なんじゃそりゃと思ってしまいます
結局抜本的解決にならないような気がしてなりません
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