映画「ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」を観て思うこと
先日息子と映画館でドラえもんの映画を観てきました
「ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)」です
株式会社 日向の鳥辺康則です
最近のドラえもん映画に感じることがあるのですが、とてもメッセージ性が強く現代社会の光と闇を描いているように感じます
それを感じたのは「映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021」の時もそうです
リメイク作品ですが、とても内容的に現代社会を風刺するような形で改善されておりまさにメッセージ性が盛り込まれてました
実はこの映画公開後にロシアによるウクライナ侵攻が始まったのです
市民は空爆におびえ、ロシア国内では反戦を訴えた小学生がロシア警察に拘束されるなど、「これが本当に今の世に起こることなのか」とさえ思うニュースが連日報じられました
ドラえもん映画の作中では国内での軍隊と自由同盟の内戦が描かれるため、厳密には現実のウクライナ侵攻という国をまたいだ戦争とは異なるのだが、そうした画や設定から今の世界情勢を強く連想せざるを得ない内容になっていたのです
そして今回の作品のテーマは?
「人間らしさとは何なのか?」「洗脳」です
まだ見てない人のために簡単なストーリーはこちらです⬇︎
トマス・モアの『ユートピア』(1516)を引用したタイトルを冠した本作は、空の楽園“パラダピア”が舞台になる作品
空に浮かぶ謎の三日月型の島を見つけたのび太は、ドラえもんたちと一緒にひみつ道具の飛行船「タイムツェッペリン」で、その島を目指して旅立つ
やがてたどり着いたその場所は、誰もがパーフェクトになれる夢のような楽園「パラダピア」だった
ドラえもんとのび太たちは、そこで何もかも完璧なパーフェクトネコ型ロボットのソーニャと出会い、仲良くなる
しかし、その夢のような楽園には、大きな秘密が隠されていた
この先は映画を見てない人のために書かないことにします
そしてこの先は感想や世論的に賛否両論のこの作品について書いているので見てない人はネタバレになります
争いがなく誰もが幸せに暮らす国=ユートピア
「ムー大陸」や「竜宮城」など世界中にユートピアの逸話があり、それは完全に絵空事ではないのかもしれないという「可能性」を語っていたりもします
やっと見つけたユートピア(映画の中ではパラダピア)
しかしそこには驚愕の真実が隠されていた
表向きには誰もがパーフェクトになれるというパラダピアで、実際は住民たちに洗脳が行われているという秘密が明らかになります
「光」を浴び続けたジャイアン・スネ夫・しずかちゃんがいつしか敬語を使うようになり、通り一辺倒の「良い子」になってしまう様はホラー的でゾッとさせられます
それぞれの個性が全くなくなり、ロボットのような完全に従う洗脳された人間になってしまうのです
この時私が感じたのは新興宗教です
オウム真理教や統一教会など、社会的な問題になっている「洗脳」の恐怖と恐ろしさが現実に描かれているような感じです
これはカルト宗教だけではなく、同調圧力の中で正しいことを洗脳されてる日本国民に対しての痛烈のメッセージだと思ってます
マスクをすることが法律じゃないのにしなければいけない
ワクチンを打つことも法律じゃないのにしなければいけない
マイナンバーカードを作ることも法律じゃないのにしなければいけない
そう信じ込ませて従わさせるさせる洗脳です
奴隷のように言うことを聞く国民を作り出している国と言うことです
劇中のパラダピアは全体主義的な国家、あるいは日本でも問題となっているカルト宗教を連想させます
「表向きはユートピアとされていた場所が実はその逆のディストピアだった」
そして「パーフェクト至上主義」的な洗脳が行われる場に対して、人にはそれぞれ欠点があるように見えるがそれは決してダメなだけではない
「その人らしさ」でもあるのだというのが本作の主張なんです
それは個性や多様性が尊ばれる今の時代には大切なメッセージです
他人と違うことがそんなに悪いことなのか?
同じにしなければいけないのか?
豊かな個性があるから、多様性が生まれて楽しい世界が作られているのではないのか?
そんなことを痛烈にメッセージから感じます
実はこの映画賛否両論が分かれてます
私は過去のドラえもん映画の中で、42作目にあたる今作はベスト3に入ると思ってます
しかし様々なレビューを見ると今の日本を象徴している危機的な状況を感じると言う内容も多いです
確かに私もそれを感じますが、内容的にはとても良い映画だったと思ってます
このテーマで藤子・F・不二雄先生の有名な発言があります
のび太というのはいろいろ欠点だらけで、人間であるがゆえの弱点、欲望をさまざまに引きずっていて、ヒーローにはもちろん、いいコにもなかなかなりきれない。で、世間に対して、常に何か劣等感があって、自分はダメ人間だなんて思っている。だからといって、そこですねて、ふてくされて何もかもほっぽり出してしまうようなこともない。漠然とではあるけれども、もう少し勉強ができたらいいとか、もっと体を鍛えなくちゃとか、思うわけです。ただ、そのためには本来、地道な努力が必要なんですが、ついつい近道して、安易にドラえもんの道具に頼ってしまうのが玉にキズなんですね(笑)
いわゆるのび太的な要素というのは、誰の中にもあります。それが濃厚な純のび太であるか、半分のび太であるか、かすかにのび太チックであるか、その程度の差こそあれ、誰もが持っている要素だと思うんです。だからこそ、みんな、今の自分よりも少しはましになりたい、もっと向上したいと思う。でも、毎日、同じ反省を繰り返しながら、足踏みをしている。結局のところ、それが人間というものなんじゃないかと思うんです。
(小学館「デニム」1992年8月号(創刊号))
完璧を求めるパーフェクト主義
理想郷を求める洗脳社会
でも完璧じゃないから楽しいんじゃないかな?
誰もが完璧だったらつまらない世の中になる
ユートピアだったら、みんなほんとに幸せなのか?
とても深いメッセージ性が込められていると思ってます
「全体主義的な統一」に対する「良い側面だけでなく、悪い側面含んだ人それぞれの多様性の大事さ」のメッセージ
この映画からはたくさんのものが学べると思ってます
ぜひ劇場で見てみて下さい
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