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気候変動の1.5度の約束はどうなったのでしょうか?

2023年11月30日から世界の国々が気候変動の問題を話し合う「COP28」が開催されます

しかし開催する前にもかかわらず内容はかなり厳しいものになると言う予想がされています

株式会社 日向の鳥辺康則です

なぜならば昨年エジプトで開催されたCOP27で、パリ協定の1.5度の目標は「死んだ」と言う話がたくさんの方から言われ始めてるからです

もちろんブログを読んでくださっている皆さんの中には、温暖化の原因がCO2ではない!国連が一方的に仕掛けている茶番劇である!実際温暖化は起きていない!などと懐疑的な意見を持ってる人も多いと思います

しかし今回は一旦それを置いといて、一体パリ協定でも結ばれた約束はどうなったのか?を考えたいと思います

もともとの経緯はどういったものなのでしょうか?

2015年のCOP21で採択されたパリ協定において「世界平均気温の上昇を、産業革命以前を基準に2度より十分低く保ち、さらに1.5度に抑える努力を追求する」という長期目標が合意されました

2018年には気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が世界中の研究論文に基づく「1.5度温暖化に関する特別報告書」を公表しました

その結論は、温暖化を1.5度で止めれば2度の場合と比べて深刻な影響を大幅に回避できることが書かれていました

この時点では十分に回避できると言うことだったんです

これを受けて、1.5度は単なる努力目標でなく本気で目指すべき目標と認識されるようになりました

2021年にイギリスのグラスゴーで開催されたCOP26では、1.5度を追求する「決意」が合意に至りました

しかし現状は目標達成には程遠いものであり各国とも無責任状態なんです

各国の発表では、世界の温室効果ガス排出量を2030年までに現状の約半分に減らし、2050年には世界で二酸化炭素(CO2)排出を実質(ネット)ゼロ、他の温室効果ガスの排出も大幅に減らすというものでした

各国のネットゼロ排出目標(先進国の多くは2050年、新興国や発展途上国の多くは2060年、インドは2080年)がすべて達成されると言われていたのに全く進んでいない

言う事は立派なのですが、行動は全くされていないということです

約束が果たされないまま8年が経った今は1.3度まで気温が上昇してます

このままでは、世界気象機関(WMO)は、2027年までの5年間に1.5度を超える可能性が高いと発表しました

一方でIPCCによると2030年代前半には平均的にも1.5度に到達してしまうと発表されてるのです

もちろん1.5度を超えたとたんに世界が終わるわけではありません

しかし逆にいえば、現在既に「自分の人生にとっては世界の終わりに等しいような」洪水や干ばつや森林火災を経験する人は世界中に増え続けています

しかも、そのような人たちの多くは自らは温室効果ガスをほとんど排出しておらず原因に責任がない低所得で脆弱な人々です

つまり、途上国の方々が被害に遭ってるのです

先進国の方々が大量に排出している温室効果ガスのせいで途上国の方が苦しめられていると言う現状です

その他にも1.5度の温暖化で地球システムのいくつかの臨界点(ティッピング・ポイント)を超えてしまう可能性が高いとされています

それらは、グリーンランド氷床の崩壊・西南極氷床の崩壊・低緯度のサンゴ礁の死滅・北方の永久凍土の急激な融解です

これらが本当に始まれば、海面上昇の加速・海の生態系への広範な悪影響・あるいはさらなる温暖化の加速などにより人間社会に一層深刻な災厄をもたらします

それによって、世界の食料・水不足・住居を失う難民などの問題を引き起こし、結果としては平和が奪われるのです

奪われるものは、自然ではなく平和です

気候変動の悪影響がいよいよ深刻化して、多くの国で水や食料が逼迫し難民が大量に溢れるようになる

そうしたら、国際協力なんて関係なくなり奪い合いが始まります

日本は食料自給率の低い国です

食料の輸入が止まれば国民が真っ先に飢えます

決して他人事では無いのです

環境問題にどんなに無関心であっても、無関係な方は一人もいません

環境問題は、我々の命に関わる問題だと言うことです

明日から始まるCOP28を目前に今一度、今の現状を整理したくてブログに書きました

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